網膜剥離はシーズーに多くみられます。片眼の網膜剥離が検診時に偶然見つかることも少なくありません。おそらくシーズーの眼の形状と興奮しやすい性格、あるいは遺伝的な素因で網膜の異形成があるのかもしれませんが、詳しい解析はなされていません。
今回の網膜剥離による視覚喪失について、両眼の完全網膜剥離が認められますが、網膜血管の萎縮が右眼より左眼で著明であること。網膜の肥厚が右眼より左眼で著明であること。右眼の硝子体混濁に出血痕がみられることから、おそらく左眼の網膜剥離が以前から存在し、今回右眼の網膜剥離が発症したものと推測されます。
網膜剥離の治療には、硝子体手術の設備を備えた施設が必要です。現在、硝子体手術に対応できる動物病院は東京と釧路に2病院があるだけですが、一般の症例に対する治療はまだ確立されておらず、治験段階です。もし飼い主様のご希望がありましたらご紹介させていただきます。教科書的には、現在のところ網膜全剥離に対する確立された治療はありません。


