かけはた動物病院
かけはた動物病院のブログ「眼科診療への取り組み」
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2007年08月10日

シーズーに多い網膜剥離

突然の視覚障害を訴えてシーズーが来院しました。眼底検査、超音波検査などで網膜剥離であることがわかりました。
網膜剥離はシーズーに多くみられます。片眼の網膜剥離が検診時に偶然見つかることも少なくありません。おそらくシーズーの眼の形状と興奮しやすい性格、あるいは遺伝的な素因で網膜の異形成があるのかもしれませんが、詳しい解析はなされていません。
今回の網膜剥離による視覚喪失について、両眼の完全網膜剥離が認められますが、網膜血管の萎縮が右眼より左眼で著明であること。網膜の肥厚が右眼より左眼で著明であること。右眼の硝子体混濁に出血痕がみられることから、おそらく左眼の網膜剥離が以前から存在し、今回右眼の網膜剥離が発症したものと推測されます。
網膜剥離の治療には、硝子体手術の設備を備えた施設が必要です。現在、硝子体手術に対応できる動物病院は東京と釧路に2病院があるだけですが、一般の症例に対する治療はまだ確立されておらず、治験段階です。もし飼い主様のご希望がありましたらご紹介させていただきます。教科書的には、現在のところ網膜全剥離に対する確立された治療はありません。
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posted by かけはた at 21:38| 眼科診療室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月03日

進行性網膜萎縮「人気犬種の遺伝性疾患に注意」

5.kensa.JPGこの数百年の間に、人間の用途に合わせてさまざまな犬種が作り出されました。現在のわが国の人気犬種は小型の愛玩犬です。これら小型犬は繁殖がしやすいことから、望めばすぐに手に入るようになりました。しかし最近になり、交配によって遺伝するさまざまな遺伝性疾患が問題視されるようになってきました。
進行性網膜萎縮は人気犬種であるミニチュア・ダックスフンド、トイ・プードル、シーズーなどに非常によくみられる原因不明の遺伝性疾患で、目の奥の網膜という部分が進行性に萎縮し、視覚が低下して失明してしまいます。多くは6歳くらいで認められますが、早い場合は生後数ヵ月から症状が進行し2歳までに失明します。失明した後に、高い確率で白内障を発症し、さらに重篤な症状を引き起こすこともあります。
この疾患の特徴は、まず暗いところで物が見えにくくなり、さらに進行すると昼間や明るいところでの視覚も低下し、やがて失明します。健康診断などで偶然発見されることもありますが、夜間や暗い場所での行動を注意深く観察することが重要です。ゆっくりと進行するため、気が付かない飼い主さんも多いようです。
残念ながら現在のところ有効な治療法はありませんが、抗酸化剤などのサプリメントが進行を遅らせるのに有効といわれており、早期発見・早期治療が望まれます。定期的な健康診断と普段から行動の変化に注意することが早期発見につながります。また、繁殖に際しても遺伝性疾患を防ぐため、安易な交配を見合わせ、血統をさかのぼった十分な検討が必要です。

posted by かけはた at 11:53| コラム「ペットと暮らせば」回顧録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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