かけはた動物病院
かけはた動物病院のブログ「眼科診療への取り組み」
病院紹介 眼科診療室 動物病院日記 よくあるご質問 リンク

2008年02月29日

柴犬の緑内障についてのひとりごと

IM017617.JPGIM018380.JPG
柴犬は緑内障になりやすい犬種であることは周知の事実であり、そのほとんどは閉塞隅角を特徴とする原発緑内障で、房水流出の障害によって引き起こされると考えられています。柴犬はもともと虹彩角膜角が狭く櫛状靭帯の形成異常が多いようです。柴犬の原発緑内障は高率に両眼に発症しますので、反対眼にも予防的な抗緑内障薬の点眼し発症を少しでも抑えていくことが勧められています。
数年前、海外講師による眼科セミナーで原発緑内障の診断基準とは、前房フレアがないこと、前房に細胞が浮遊していないこと、水晶体変位がないことと教わりました。しかし、わが国に非常に多くみられる柴犬や柴系雑種犬の緑内障には、このようなパターンはほとんど当てはまりません。当院でも柴犬の緑内障には例外なく前房フレアが認められています。炎症やその他の原因をともなわないのが原発緑内障。とすると柴犬の緑内障は原発緑内障?それともブドウ膜炎性の続発緑内障?診断に非常に苦慮します。
おそらく初期には炎症をともなわない緑内障がじわじわと進行し、ある時点で急に眼圧が上昇するのでしょう(いわゆる急性期)。それとともに血液と房水のバリアが破綻し前房内にフレアが現れるのだと思われます。急性症状2日以内の緑内障だと治療を積極的に進めていけるのですが、それ以上経過すると視神経のダメージが大きく、来院時にはすでに手遅れということも少なくありません。
動物が痛みや視覚障害を訴える前の、初期の緑内障を発見することはとても難しいことだと思いますが、結膜炎かな?と思う程度でも緑内障がじわりと始まっているかもしれません。典型的な症状をともなわない軽度の眼圧上昇を見逃さず、適切に治療することができれば緑内障の治療成績はもっと向上すると思われます。特に柴犬の飼い主様は、充血、目やにを軽視せず、おかしいな…と思ったら診てもらってください。
posted by かけはた at 20:24| Comment(0) | 眼科診療室

トップページ 病院紹介 眼科診療室 動物病院日記 よくあるご質問 お問い合わせ リンク集