かけはた動物病院
かけはた動物病院のブログ「眼科診療への取り組み」
病院紹介 眼科診療室 動物病院日記 よくあるご質問 リンク

2010年12月16日

水晶体前房内脱臼から角膜穿孔に至った症例

IM020732.JPGIM020735.JPG 3854_20081010__0004.JPG
症例は、パピヨン、雌、7歳齢です。1カ月半前に右眼が白濁、しょぼつき、疼痛、眼脂。主治医にて注射、点眼で改善。2週間前に再び右眼が白濁、疼痛。白内障と緑内障との診断で治療をしたが改善せず。眼科検査のため紹介され来院しました。
初診時所見において右眼の結膜充血、角膜白濁、しょぼつき、疼痛、眼脂。眼科検査において右眼の威嚇瞬目反応、眩目反射の消失、水晶体の前房内脱臼および眼圧上昇が認められました。
治療計画として右眼に強膜内シリコン義眼挿入術を提案したのですが同意を得られなかったため、非ステロイド消炎剤と炭酸脱水酵素阻害剤の点眼による経過観察としました。
初診から12日後に「昨夜からの右眼のしょぼつきがあり、朝起きたら寝床に白い物が落ちていた。」と来院されたところ、角膜穿孔による水晶体の脱出が認められました。穿孔部には細菌の繁殖は認められなかったことから、前房内脱臼した水晶体と角膜内皮の摩擦による機械的損傷に加え、続発緑内障による圧力によって角膜内皮が破綻し、角膜穿孔に至った可能性が考えられました。
DSC05011 (2).JPGDSC05014 (2).JPG本症例は、右眼にも水晶体亜脱臼が認められたことから、原発性あるいは遺伝性の水晶体変位が考えられました。いずれにしても、このような状況では非常に予後が悪いということが実証された貴重な症例でした。水晶体前房内脱臼の合併症のひとつとして角膜穿孔もあり得るため、早期の外科的治療が望ましいと思われました。
posted by かけはた at 20:53| 眼科診療室 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

トップページ 病院紹介 眼科診療室 動物病院日記 よくあるご質問 お問い合わせ リンク集
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。