進行性網膜萎縮は人気犬種であるミニチュア・ダックスフンド、トイ・プードル、シーズーなどに非常によくみられる原因不明の遺伝性疾患で、目の奥の網膜という部分が進行性に萎縮し、視覚が低下して失明してしまいます。多くは6歳くらいで認められますが、早い場合は生後数ヵ月から症状が進行し2歳までに失明します。失明した後に、高い確率で白内障を発症し、さらに重篤な症状を引き起こすこともあります。
この疾患の特徴は、まず暗いところで物が見えにくくなり、さらに進行すると昼間や明るいところでの視覚も低下し、やがて失明します。健康診断などで偶然発見されることもありますが、夜間や暗い場所での行動を注意深く観察することが重要です。ゆっくりと進行するため、気が付かない飼い主さんも多いようです。
残念ながら現在のところ有効な治療法はありませんが、抗酸化剤などのサプリメントが進行を遅らせるのに有効といわれており、早期発見・早期治療が望まれます。定期的な健康診断と普段から行動の変化に注意することが早期発見につながります。また、繁殖に際しても遺伝性疾患を防ぐため、安易な交配を見合わせ、血統をさかのぼった十分な検討が必要です。


